名水百選に選ばれている若狭町瓜割名水公園の水。平日でもこの瓜割の水を求めて、県外からの車が駐車場を埋めています。
瓜割の滝に向かう路の右手に天徳寺があります。天徳寺は、1300年前、天皇の勅願寺として創建された古刹です。
天徳寺よりさらに、100メートルほど足を進めると、左手に四国八十八ケ所石仏霊場があります。
石仏霊場は、江戸・文化年間、時の住持である本如上人が空海の夢告を受け造営したものと伝えられ、御堂を囲むように88体の石仏が安置されています。
水上勉は随想集「若狭路」の中で
「石仏で名高い天徳寺。石仏は石段をあがりつめた山腹だが、四国八十八ケ所石仏といわれている。・・・枝の混んだ杉、檜の木の木もれ陽の中で、静かに正座しておられる石仏をみていると、暗い奥山だけに、幽邃である。天徳寺は、また湧き水で名高い水の森があり、この石仏群のしじまのへ水音はきこえてくる。若狭は、やはり仏の国だと思う」
と記しています。