敦賀駅より城崎温泉駅までを運行する観光列車「はなあかり」は、檳榔子染(びんろうじぞめ)の黒褐色の車体に黄金色の草花が描かれたとても気品のある三両編成の車両です。キハ189系の車両を改造し観光列車用にデザインされたということです。「キハ」は、ディーゼルエンジンを動力にして自走する気動車の普通車両を意味する車両記号だそう。歳時記をめくると春の季語に「花明り」があり、満開となった桜の花で夜になっても辺りがほのぼのと明るく感じられることを意味するらしく、楽しい旅になりそうです。
さて、弁当と飲み物、酒の肴を買い込み小浜駅より乗車。お酒は福井勝山の銘酒「一本義」。これより、小浜線、舞鶴線、京丹後鉄道宮舞線、宮豊線、山陰本線を経由して城崎温泉駅へ向かいます。
若狭湾の冬景色を楽しみながら、鯖寿司で一献。勢浜の隧道を抜け、勢浜、鯉川の海岸線をすぎると、やがて長井浜海水浴場が見えます。長井浜海水浴場はNHKの連続テレビ小説「ちりとてちん」のロケ地のひとつ。大阪へ向かう喜代美(貫地谷しほり)が乗る列車を、母の糸子(和久井映見)が、小浜の浜で開催されている「小浜のど自慢大会」の会場から五木ひろしの「ふるさと」を歌いながら見送っていたシーンが思い出されます。
高浜駅、東舞鶴駅で地元の皆様の歓迎を受けながら、そうこうするうちに、およそ三時間半の列車の旅を終え、城崎温泉駅に到着。
城崎温泉駅からは、兵庫県最北端、猫崎半島の宿をめざし、山陰本線で竹野駅に向かいます。竹野はすっかり冬の海。荒れていました。竹野は初めて訪れた地でしたが、北前船の寄港地であったようです。
帰りは城崎温泉駅で駅弁を買って特急「こうのとり」で福知山まで。福知山駅より東舞鶴駅を経由して小浜駅に向かいます。帰りの列車の楽しみは、蟹寿司と伊根向井酒造の「伊根満開」。列車の旅を満喫した二日間でした。
呑み鉄 小浜線ひとり旅
六角精児さんの「呑み鉄本線・日本旅」という番組が好きで、時折、録画を見ながら、一度やってみたいな~とリストを作っていくと只見線、近江鉄道、宗谷本線、三陸鉄道ときりがありません。
先ずは地元から。第一回は、小浜線にて敦賀駅までの呑み鉄ひとり旅と決めました。
敦賀駅前に出来たという本屋さん「ちえなみき」を訪ね、そのあと、蕎麦で一杯が目的というシンプルな旅。
東美浜駅を過ぎると粟野駅、ここより敦賀市となります。ワクワク。粟野駅は鉄道員だった義父が若いころ勤めていた駅。今では、小浜線のほとんどの駅は無人駅になってしまいましたが、その頃はどの駅にも駅長さんがいたのです。柔和な優しいお父さんの姿を思い出しました。
さて敦賀駅、駅前はすっかり整備され様変わり。驚きました。
「ちえなみき」は、思った以上に素敵なところ。目当ての本を探して買うというよりも、書架を巡っているうちにこんな本があったんだと、思わぬ本に出合えるところ。感じのよい図書館と言ってもよさそう。店内には中道源蔵茶舗のコーナーもあってお茶やスイーツを楽しめる設え。経営は丸善雄松堂と知り納得。いいお店が近くにできました (#^.^#)
何冊か本を買って、目当ての蕎麦屋「すずや」さんへ。
じゃこおろしといたわさ、お蕎麦で一献。お酒は地酒の早瀬浦。
帰りの列車の友はトリスの小瓶。約4時間、第1回呑み鉄の旅、無事終了。