花妖譚 司馬遼太郎

本名 福田定一の名で書かれ,華道 未生流の月刊誌「未生」に掲載された十編。
芥子・牡丹・沈丁花・水仙など十の花を題材に,中国・日本・モンゴル・古代ギリシャの逸話を語る幻想的な物語。
流麗で格調高い筆致は見事で,花のおりなす不思議な世界にしばし身を置くことができた。花に詳しく,古今東西の歴史に関する知識の深さは,流石というほかない。