
























「日本全国の桜のなかで、いちばん美しい木はと訊ねられたなら、私は京都府北桑田郡京北町の常照皇寺の九重ざくらを挙げる。ともかく気品がある・・・」とは、日本各地の桜の木を二十八年の歳月をかけて、桜巡礼の旅を満願した俳人の黒田杏子さんの言葉です。
常照皇寺は、福井県小浜市から旧名田庄村、京都府美山町を通り清滝、嵐山へ抜ける通称周山街道沿いの町、京北町にあります。
地図をたどると自宅から常照皇寺までは、車だと二時間かかるかかからないほどの距離。昨年、黒田杏子さんのエッセイを読んで以来、春の訪れを楽しみに待っていた次第です。
常照皇寺は、南北朝の頃、光厳法皇によって開かれた皇室ゆかりの寺院。国の天然記念物「九段桜」をはじめ、御所から株分けしたと言われる「左近の桜」、一重と八重が一枝に咲く「御車返しの桜」など桜の名木があるとのこと。
日程の調整が難しく、「九段桜」「左近の桜」は散り始めでしたが、風格のある桜の景色を満喫することができました。
帰りに「美山のかやぶきの里」に寄りましたが、こちらの方は花満開、いいドライブができました。
丸山枝垂れ桜
御車返しの桜
九段桜・左近の桜
早咲きの修善寺桜が咲いていました。山桜、染井吉野はこれからというところ。
一昨年の五月、大山崎山荘美術館を訪れた帰りサントリー山崎蒸留所に寄ったのですが、あいにく工場改装中のため、見学はその年の秋以降になるとのことでした。
この年の十一月から見学可能となったわけですが、事前予約制、なんと数か月先まで空きがないという状況でした。こうなると、何だかどうしても行きたくなってしまい、今春、やっと予約をとることができた次第です ( ^^) _U~~
午前中は大山崎山荘美術館へ。桜はこれからといったところ。
お昼は、たまたま見つけた山崎蒸留所近くの「ウラロジ食堂」というお店。ラジカセから流れて来るジョン・レノンの歌を聴きながらホワイトソース・オムライスを注文。こんなお店が近くにあったらなぁと思う洋食屋さんでした。
さて、サントリー山崎蒸留所。時間ごとに人数を制限しての予約見学だけあって、ゆったりと過ごすことができました。
楽しみは何と言っても「山崎」(#^.^#)
たぶん、ここでしか飲めないであろうと思われる原酒もあって、無事に帰れる程度に何杯かいただきました (#^.^#)
ショップで山崎蒸留所限定販売の「山崎」を購入。山崎蒸留所の多彩な原酒の中から、スパニッシュオーク樽で熟成させたスモーキー原酒のみを厳選したスモーキーウィスキーとの説明。愉しみな自宅での一杯です。
大山崎山荘美術館をあとにしてサントリー山崎蒸留所へ。途中、線路わきにある洋食屋さん「ウラロジ食堂」で昼食、ホワイトソース・オムライス、美味しかったです。
松谷茂名誉園長先生のご案内で主に植物生態園の草花を見てまわることができました。
楽しい説明にわくわくしながら巡った植物園でしたが、この日の白眉は山橘の紅い実。
山橘は藪柑子の古名。千両、万両、藪柑子は、正月のめでたい樹木として親しまれていますが、共通項は常緑で果実の色が紅いこと。
山橘(藪柑子)は、源氏物語 第51帖「浮舟」にのみ、紅い実がつくりもの状態の描写で登場します。作りものの山橘の果実を浮舟が若宮に献上したというくだりです。
さて、この日は、園長先生のご案内で、正真正銘の藪柑子の美しい実を拝見することができました。園長先生のお話によれば、実が出来ると言う事はその前に花が咲くということ。
「藪柑子はその花の美しさもすばらしく、ぜひ見てほしい。葉に隠れるように、ひそやかに下向きに地味に咲くのでまったく目立ちませんが、透明感のある白色は絶品」だということでした。
花は咲いている時だけを見るのではなく、花や葉の時の枝ぶりを見るのも楽しみと教えていただきました。
ワシュロの葉は長く途中で折れ曲がる。カラシュロの葉は短く木の背丈も短い。
織田信長の実弟、織田有楽斎が茶花として愛用したのでこの名がついたといわれているようです。
京都では”有楽”、江戸では“太郎冠者”の名で呼ばれているとも伺いました。