名馬 風の王

マーゲライト・ヘンリー
講談社 青い鳥文庫

宮本輝の「優駿」は競馬界に題材をとった物語。宮本輝のあとがきに、以下のような一文がありました。
「すぐれたサラブレッドというものが、いかにミステリアスな要素によって造形されているかに心魅かれたのはおとなになってからですが、その萌芽は、思い起こせば小学校五年生のときに、こよなく馬を愛した作家、マーベライト・ヘンリー女史の『名馬・風の王』によって、私の心に住みついていました。この小説は、アラビア馬ゴドルフィンの数奇な運命を、少年少女のために虚実織り交ぜて構築された名作です。もし、私が少年期に、『名馬・風の王』を読んでいなかったら、私の『優駿』が、このように形をなすことはなかったでしょう。」

「優駿」を読んで以来、読んでみたいと思っていたのですが、既に絶版。古書店では、どの店も二万円前後の値がついており、購入を躊躇していました。このあいだ、県立図書館の蔵書にあることがわかり、さっそく借りてきました。

モロッコの牡馬シャム(後にゴドルフィンと名づけられる)と馬屋係の少年アグバは、数奇な運命に導かれ、モロッコからフランス、そしてイギリスへと渡っていきます。牢獄にいれられたり、離れ離れになったりと苦労の日々の中で、互いに支え合うように生きるシャムとアグバの物語。ゴドルフィンとは、「神の夜明け」という意味だそうです。
サラブレッド三代始祖の一頭であるゴドルフィン・アラビアンの血を受け継いだ競走馬は、世界中で、いまもなお走り続けています。

絶版になってしまっているのが残念。子どもたちに読んでほしいと思う一冊です。

呑み鉄 小浜線ひとり旅

六角精児さんの「呑み鉄本線・日本旅」という番組が好きで、時折、録画を見ながら、一度やってみたいな~とリストを作っていくと只見線、近江鉄道、宗谷本線、三陸鉄道ときりがありません。
先ずは地元から。第一回は、小浜線にて敦賀駅までの呑み鉄ひとり旅と決めました。
敦賀駅前に出来たという本屋さん「ちえなみき」を訪ね、そのあと、蕎麦で一杯が目的というシンプルな旅。
東美浜駅を過ぎると粟野駅、ここより敦賀市となります。ワクワク。粟野駅は鉄道員だった義父が若いころ勤めていた駅。今では、小浜線のほとんどの駅は無人駅になってしまいましたが、その頃はどの駅にも駅長さんがいたのです。柔和な優しいお父さんの姿を思い出しました。
さて敦賀駅、駅前はすっかり整備され様変わり。驚きました。
「ちえなみき」は、思った以上に素敵なところ。目当ての本を探して買うというよりも、書架を巡っているうちにこんな本があったんだと、思わぬ本に出合えるところ。感じのよい図書館と言ってもよさそう。店内には中道源蔵茶舗のコーナーもあってお茶やスイーツを楽しめる設え。経営は丸善雄松堂と知り納得。いいお店が近くにできました (#^.^#)
何冊か本を買って、目当ての蕎麦屋「すずや」さんへ。
じゃこおろしといたわさ、お蕎麦で一献。お酒は地酒の早瀬浦。
帰りの列車の友はトリスの小瓶。約4時間、第1回呑み鉄の旅、無事終了。

小浜線

すずや

ちえなみき


ミセバヤ

万葉時代のころからある花らしく、「見せばや」と書くそうです (#^.^#)

見せばやな 雄島(をじま)の蜑(あま)の 袖だにも
濡れにぞ濡れし 色は変はらず   殷富門院大輔