ノースライト 横山秀夫

依頼主の言葉は「あなた自身が住みたい家を建ててください。」であった。青瀬は、信濃追分に北からの光を室内に存分に満たす家を設計する。しかし、引き渡し後、依頼主がその家に移り住んだ気配はなく、部屋には木の椅子だけが北向きの窓に向かい残されていた。
タウトの椅子を追う青瀬とともに、いくつもの家族の物語を読み進めることになる。
建築には皆目知識がなく、ドイツ人建築家ブルーノ・タウトのことも本書で初めて知った次第。
…内容についてはこのへんでやめておこう。

タウトが日本に残し唯一現存する建築、日向別邸は熱海市にある。日本滞在時タウトが居住していた達磨寺洗心亭は高崎市にある。いつか行ってみたいと思いつつ読了。

読み終えて、あたかかい気持ちになる作品だった。