奥嵯峨 祇王寺

久しぶりの奥嵯峨、このまま帰るには惜しく、二尊院をあとにして祇王寺へ・・・

平清盛の寵愛を受けた白拍子の祇王が清盛の心変わりにより、母と妹とともに出家し、往生院にあった庵に入寺します。
後年、往生院は荒廃しますが、庵はささやかな尼寺として残り、祇王寺と呼ばれるようになりました。
本堂内には本尊の大日如来。平清盛と四尼僧の木像が安置されています。境内には清盛の供養塔と祇王姉妹らを合葬した宝篋印塔が建立されています。
竹林と楓に囲まれ、苔が美しいつつましやかな草庵に佇むともののあわれを感じるようでした。

吉野窓

草庵の控えの間の丸窓。障子に写る、緑葉と日差しが目を和らげます。

奥嵯峨 化野念仏寺

二尊院から祇王寺。もう少し足を進めて念仏寺まで行ってみることにしました。石畳に並ぶ家々は閑静で、市内の喧騒から離れます。コロナ禍、平日ということもあってか、この間、会ったのは妙齢のご夫婦、一人旅の男性お一人のみ、静かな道行となりました。

「化野」は「あだしの」と読み、この地は古来より葬送の地であったそうです。
「化野」は、むなしいとの意。「化」の字は「生」が化して「死」となり、この世に再び生まれ化る事や、極楽浄土に往来する願いなどを意図していると説明にありました。

華西山東漸院念仏寺…化野の地に寺が建立されたのは、約千二百年前。弘法大師が五智山如来寺を開創、その後、法然上人の常念仏道場となり、浄土宗のお寺となります。

西院の河原


境内には、多くの石仏・石塔が散見されますが、あだしの一帯に葬られ何百年という歳月を経て無縁仏となった人々が祀られているということです。

才の神の藤 2021

「才の神」の藤が満開を迎えたとの知らせ、さっそく行ってきました。
「才の神」の藤があるところは福知山市大江町南有路。今日はいいお天気で、拙宅より片道70kmほどのドライブ >^_^<
舞鶴市から才の神に至る由良川沿いの道路は新緑につつまれ、たのしいドライブでした。

「才の神」の藤・・・以前は、周囲7.9メートル、二千年を超えるけやきの大木に、根本幹周り1メートルを超える6本の藤が立ち上がっていたとのこと。
現在は、幾度かの落雷によりけやきの枝は折れ、樹木の根元は空洞化、樹幹の一部が二本の枝を支えています。自然のけやきの藤棚に代わり鉄骨が施されています。芳香を漂わせ、見事に花穂をたらしていました。
ご神木にまもられる祭神は、八衛比古命・八衛比売命・久名戸神(猿田彦命)の三柱

大原 実光院 April 2021

実光院は、勝林院の塔頭のひとつ。
ここのお庭は、四季折々に花を咲かせる山野草が植えられていて、大原に来た時は必ず寄っている寺院。
庭園中央に植えられている桜は、初秋から春にかけて花を咲かせるとても珍しい桜で不断桜と名づけられているそうです。

大原 宝泉院 April 2021

さて、寂光院をあとにし三千院へ
三千院登り口の駐車場は、どこもがらがら、おまけに無人。駐車料金を入れる箱だけが置いてありました。 

三千院門前の桜を見ながら、足を進めると、やがて勝林院に。
勝林院は、文治2年(1186年)、数百名にのぼる各宗派の僧侶が集まり、「大原問答」として知られる仏教の大論争を行った寺院。

さらに進んだところに宝泉院があります。
宝泉院は、平安末期からある勝林院住職の塔頭。なんだかんだとずいぶん歩いたので、お抹茶をいただきながら、ここのお庭を拝見することにしました。

客殿の西方にある庭は、盤桓園と名づけられ、柱がまるで額縁のよう。盤桓は、立ち去りがたいという意味だそうで、なるほど、いつまでも見ていたくなる景でした。

盤桓園の左手には、もう一つのお庭、鶴亀庭園。池の形を鶴、築山を亀、山茶花の古木を蓬莱山に見立てているとういうことです。

寺院の門をくぐった左手には、回遊しながら、岩や石、季節の花をたのしむことができる宝楽園があり、ついつい長居をしてしまいました。



寂光院 April 2021

今年は京都の桜を見ていないなと、ふと思い立ち寂光院へ行ってきました。道路沿いの駐車場に車を止め、景色を楽しみながらてくてくと歩くのも楽しい春日和。
寂光院までの道すがら、長閑な里の景色、民家の庭に咲く花はとても美しく寂光院までの坂道もそれほどに苦になりませんでした。
この日、門前のお店はほとんどが臨時休業、寂光院を訪れている人も少なく、とても静かなお参りとなりました。
境内の汀の桜(みぎわのさくら)は、散り始めていましたが、高倉天皇皇后徳子の大原西陵入口の桜は、まだ見事に花を咲かせていました。
寂光院門前にある京漬物・佃煮のお店「翠月」を覗くと、お客は私一人。「これ食べてみて、これも美味しいよ、これなんかお酒のつまみにするといいよ。」と勧められ、試食をしながらお店の人と談笑。たしかに美味しい (#^^#) … 山菜のぶぶ漬、葉とうがらし、ふきのとうを買って夕食の友にすることにしました。
寂光院だけのつもりだったのですが、まだ少し時間があったのと、いいお天気だったので三千院界隈を散策することに… to be continued

寂光院

天台宗の尼寺。
594年(推古2年)、聖徳太子が父である用明天皇の菩提を弔うために創建
1185年(文治5年)、建礼門院徳子が入寺。源平の戦いに破れ、壇ノ浦で滅亡した平家一門と我が子安徳天皇の菩提を弔い、終生この地で過ごされ閉居御所とされた。
※ 建礼門院徳子・・・父は平清盛母は平時子 高倉天皇の皇后 安徳天皇の母


寂光院へ・・・


寂光院


高倉天皇皇后徳子 大原西陵


翠月 門前のお土産物屋さん


道中で見つけた春の花々


桂離宮 Marchl 2021


桂離宮 March 21st, 2021

春の嵐の中、雨天決行で桂離宮に行ってきました。
ここ数年、何回か参観申請していたのですが「抽選に外れました」の返事ばかりで、やっとこの日の参観許可が届いたのは昨年12月11日のこと。
コロナ感染症拡大防止のため人数制限されており、しかも春の嵐の予報もあってか、参観者は総勢8人。左手に傘、右手にカメラをもっての参観となりました。

桂離宮は、後陽成天皇の弟・八条の宮初代智仁親王(後水尾天皇の叔父)により、宮家の別荘として創建されました。元和元年(1615年)に造営が始まり、ほぼ現在の形になったのは寛文2年(1662年)ということですから、50年をかけての工事になります。多額の費用は、加賀百万石前田家からの寄進により賄われたということです。

当初は、桂山荘と呼ばれ、桂離宮と呼ぶようになったのは明治になってからのこと。火災に遭うことなく、創建時の姿が今に伝えられています。


住吉の松・御幸道・御幸門・表門

参観者入口より、御幸道を御幸門に向かって足をすすめると住吉の松が右手に見えます。衝立の松とも呼ばれ、池の景を微妙に隠しています。これからの散策心をそそる趣向。

御幸門までの御幸道は、小さな石を敷き並べて作られた霰零し(あられこぼし)という技法が用いられており、これは雨の日、雨や泥が跳ね客人の着物を汚さないためのものだとか。いたく実感 >^_^<

御幸門から表門までの道は表門に近づくにつれ狭くなるようにつくられており、遠近法の工夫がなされています。実際の距離よりも遠くに表門が見える趣向。


外腰掛

御幸道の中ほどを左へ、自然石が敷き詰められた草の延段を進み苑内に入ると茶室松琴亭の待合い腰掛があります。外腰掛は、茅葺寄棟造りの吹き放し。腰掛左にあるのは雪隠。
切り石と自然石を組み合わせた行の延段は松琴亭へと続きます。腰掛の対面は蘇鉄山になっており、蘇鉄は薩摩藩島津家の寄進とのこと。


松琴亭 

松琴亭は、桂離宮で最も格式の高い茅葺入母屋造りの茶室。一本の切り石を渡した橋を渡ると松琴亭に至ります。

松琴亭の名は
琴のねに峰の松風かよふらし いづれのをよりしらべそめけむ 斎宮女御徽子女王
の句から採られたとのこと。

州浜 天橋立 中書島(神仙島)

織部灯籠

古田織部が考案した灯籠。竿にキリスト像が彫られていることからキリシタン灯籠とも呼ばれています。


賞花亭

松琴亭より飛石を踏み、小高い丘に登ったところに賞花亭があります。茅葺切妻屋根を皮付きの柱が支えている瀟洒な造り。背面と側面に連子窓があり、山の風景が楽しめる趣向になっています。


園林堂

賞花亭より丘を下り橋を渡ったところに園林堂があります。本瓦葺宝形造りの屋根の持仏堂ですが、今は安置されているものはなく、建物だけがあるそうです。


笑意軒

園林堂より橋を渡ると田舎家風の茶室笑意軒にいたります。「笑意軒」の扁額は曼殊院良恕法親王の筆。
蹲踞(つくばい)には「浮月」の名がつけら、舟着場には三光燈籠が置かれています。


月波楼

月波楼は古書院に近い高みに立てられた茶亭。観月がここで行われたことでしょう。


書院 中門

中門から書院玄関に向けて切り石が配置された真の延段が続きます。
延段をたどり更に石段を上がると一枚石の大きな沓脱があります。六人の沓が並べられることから「六つの沓脱」と呼ばれています。


延段

自然石だけのものを「草の延段」・自然石と切石が取り混ぜられたものを「行の延段」・切石だけのものを「真の延段」・というそうです。これは書道の「草書」「行書」「楷書(真書)」に習ったもの。

草の延段 桂離宮
行の延段
真の延段  書院玄関 御輿寄
桂離宮 御幸道 あられこぼし

早春の草花展2021

京都府立植物園 早春の草花展2021

勿忘草


レンギョウ


マーガレット・ラッセルルピナス・ストック



プリムラマラコイデス

バイカオウレン


ネモフィラ


ネコヤナギ


ナニワズ・トサミズキ・セリバオウレン・ショカツサイ・しょうじょうばかま


クローバー


オダマキ


オオスミソウ


ビオラ・パンジー・ヒナゲシ


ロードデンドロン吉野


木瓜 長寿楽


聖護院だいこん・聖護院かぶ・茎だいこん


近畿まめざくら


牡丹


福寿草


蕗の薹


菜の花


おのまんねん


沈丁花


枝垂れ梅


白梅


馬酔木


雪中花


紅侘助


木瓜・馬酔木・一人静


山紫陽花


セツブンソウ


京都市京セラ美術館 December 2020

1933年(昭和8年)、「大礼記念京都市美術館」として開館し、現存する日本で最も古い公立美術館建築。

通称を「京都市京セラ美術館」とする50年間のネーミングライツ契約を京セラ(株)と締結し、2020年5月にリニューアルオープンしました。


硝子の茶室 杉本博司作 聞鳥庵