寒い国から帰ってきたスパイ  ジョン・ル・カレ

The spy who came in from the cold   John le Carré

昨年12月、ジョン・ル・カレ氏の訃報を知り、氏の傑作「寒い国から帰ってきたスパイ」を数十年ぶりに再読。

大学卒業後、英国外務省職員として西独(当時)の英国大使館に赴任。しばらくの間、MI5(軍情報部第5課)、MI6(SIS 秘密情報部)で働いていたことがあるとも伝えられている。「死者にかかってきた電話」で小説家としてデビュー。

ベルリンの壁が築かれ東西の冷戦が緊張化していた時代。暗躍する組織と情報部員の姿がリアリスティック。それだけに、冷徹な任務の中に描かれる機微な人の情が切ない。複雑で巧妙なプロット、最後までスリリングな物語の面白さは時代が変わっても色褪せることなく読了。

寒い国から帰ってきたスパイ