梨木神社(なしのきじんじゃ)

京都迎賓館を見学までに、少し時間があったので、久しぶりに梨木神社へ。梨木神社は京都御所東側に隣接。明治維新に貢献した三條實萬(さねつむ)・三條實美(さねとみ)父子を祭神としています。境内には萩の木が多数植えられていて、秋には萩祭りが行われるなど萩の宮とも言われています。
萩の花はもう終わっていましたが、萩に結ばれた俳句や短歌を読みながら参拝してきました。

久しぶりに参拝して驚いたのが、鳥居をくぐるとそこにはマンションが建っていて、参道がなくなっています。脇道から本殿にむかったのですが、あとで調べてみたところ・・・
2013年に梨木神社の本殿の改修費用に充てるこため、開発業者に境内の土地を貸し出すことにしたのだそうです。さすがに神社本庁はこのことを認めませんでした。梨木神社は神社本庁を離脱してマンション建設に踏み切ってしまったということです。

京都迎賓館

三度目の正直 京都迎賓館

実は四月と九月に参観許可をとっていたのですが、いずれもその日の前日に「緊急事態宣言により参観をしていただくことができなくなりました」との電話。二度あることは三度あるという言葉もあるしなぁと思いつつも十月に再挑戦。

京都迎賓館は平成十七年に開館。日本建築の伝統の美と粋に現代建築の技術を取り入れて設計されたとのことで、是非、一度いきたいと思っていました。
緊急事態宣言が解除になったとは言え、コロナ禍対応のための人数制限もあり、一緒にまわった方々は六名。
参観証を門前で見せると、地下一階の受付へ。手荷物検査や身体チェックは厳重。手提げかばん以上の荷物は持ち込み不可でロッカーへ。カメラは可とのことでひと安心。

日本の伝統技術・美術、携わった職人の方々の匠の技に、ため息がでるような時間でした。


聚楽の間

晩餐会などの際、招待されたゲストの控室。

安楽椅子
安楽椅子は、鉄や釘を一切使わない京指物。布地は「西陣織」

竹花篭の飾り台
「漆」、「螺鈿(らでん)」、「竹工芸」などの技法が施されているということです。


夕映の間

会議や晩餐会の待合に使用。 東西の壁面には「比叡月映(ひえいげつえい)」、「愛宕夕照(あたごゆうしょう)」の名の織物作品が部屋をつつみます。
壁面は可動式になっており部屋の大きさを調整できる造りになっているのには驚きました。


和舟

庭園の池を「舟遊び」できる設え。ブータン国王夫妻が和舟をたのしまれているご様子の映像をみせていただいました。


行燈

行灯は本美濃紙を使用。鉄や釘を一切使わない京指物で組まれています。


桐の間

桐の間は、「和の晩餐室」。釘隠しや襖の唐紙などには「五七の桐」の模様。
「五七の桐」は、皇室の裏紋として使用されていましたが、現在は日本国政府の紋章として使用されているとのことです。

座椅子
座椅子の背には「五七の桐」の「蒔絵(まきえ)。桐の葉の色は微妙に違い、同じ模様の椅子は一つもないとの説明でした。

欄間
桐の間の欄間は、截金(きりがね)の装飾が施されています。品名は「日月(にちげつ)」。


イグサの良い部分のみを使い中央でつなぐ「中継ぎ表(なかつぎおもて)」という昔ながらの技法の畳。畳縁は、麻の本藍染が使用されています。


庭園

池を中心に、建物に融け合うように造られ、古来より日本人の住まいに貫かれた伝統「庭屋一如」の思想を体現した庭園。


廊橋

廊橋の船底天井
東西の建物をつなぐ廊橋の天井は、船底を逆さにしたように中央部が高く、両端が低くなった「船底天井」です。吉野杉を使用。橋の四隅には、昆虫の透かし彫りが・・・水面の光が天井に揺れて美しい姿でした。


藤の間

藤の花の花言葉は「歓迎」・・・洋食の晩餐会等に使用される迎賓館で一番大きな部屋です。

壁面装飾「麗花」
壁面装飾は、日本画家の鹿見喜陌(しかみ きよみち)の下絵をもとに、綴織りの技法による織物。39種類の日本の草花が織り込まれています。
床に敷かれた緞通には、「藤の花」が描かれていました。

舞台扉 「截金」
人間国宝 故 江里佐代子の作品。金箔と銀色のプラチナ箔を使用。作品名は、「響流光韻(こうるこういん)」

几帳 きちょう
几帳は、室内の間仕切りや目隠しに使われます。絹の薄織物の「紗(しゃ)」よりも薄い「羅(ら)」織物や漆、京縫い、組紐などの伝統技能が用いられています。


玄関


北前船 右近家

さて敦賀市を離れ越前海岸を北上、南越前町にある「北前船」船主の館 右近家へ・・・

北前船

北前船は函館から日本海の各地に寄港、下関より瀬戸内海に入り大阪に至る航路をたどる商いをしていました。
もともとは、近江商人が函館で買い付けした鰊などを敦賀の港へ運ぶための運送業がことのおこりであったようです。世情の変化により近江商人が撤退、船主自らが商いを始めました。最盛期は一隻、一回の航海で現在の金額にして約一億円の利益があがったそうです。北前船五大船主に数えられる右近家は三十隻もの船を所有していました。
時流はかわり、右近家は保険業に携わります。日本海上保険(現在の損保ジャパン)の社長を務めたということでした。
豪華夕食つきのツアーでしたが、夕方所用があったので残念ながらここで退散 (#^^#)

船金庫

防水を施された木製の金庫が展示されていて拝見しました。欅と桐で造られていて、上部は鉄材がしっかりと施されています。海に落ちた時は、上下がひっくり返り、沈むことなく浮くようになっているということです。
また、しっかりとした防水機能もあるということでした。金庫の中には、お金の他、証文等が収められていて、特に証文は水につかると用をたさなくなるので、防水には工夫がなされたようです。

西洋館

敦賀の昆布 奧井海生堂 

友達の旅行会社企画の敦賀一日ツアー。
奧井海生堂は敦賀市にある創業百五十年の昆布の老舗。北海道は利尻でとれる昆布を主にあつかっています。利尻昆布は、利尻・礼文島で収穫され、上品な琥珀色のだしがとれることから、菊乃井、瓢亭など京の高級料亭に重宝され出荷しているとのこと。昆布は通常、仕入れと同時に出荷することが常ながら、ここでは倉庫で一年間は寝かせてから加工、一年間寝かせることにより味が塾生されるということでした。蔵囲いの倉庫を見せていただきましたが、中には三十年ものもあり、びっくり。

おぼろ昆布

敦賀と言えばおぼろ昆布。熟練の技を拝見。削ったところを一口いただきました。もうとっても美味しい・・・たまらない美味しさです。
おぼろ昆布とひとふり昆布をお土産に・・・ひとふり昆布は瓶の蓋をあけたとたんに、香しい昆布の匂いがひろがります。今日の朝ごはんは、これで >^_^<

昆布のお話、いろいろ伺いました

利尻昆布・・・上品な琥珀色のだしがとれます。利尻・礼文島周辺で収穫。
羅臼昆布・・・濃厚でコクのあるだしがとれます。知床半島周辺で収穫。
日高昆布・・・やわらかく煮あがるので昆布巻、煮しめに最適。襟裳岬周辺で収穫。
山出し昆布・・・高級だし昆布として有名、塩昆布にしても美味しい。函館周辺で収穫。

水引き

一気に寒くなりました。炬燵が恋しくなるくらい・・・(#^^#)

薄味に慣れて退院春景色

都忘れ

May 15th, 2021 ことは

長い入院生活に、その食事の薄い味に慣れてしまったのだ。ようやく回復して退院することができた。久しぶりの町はすっかり春の景色に変っていた。病気が完治した晴れ晴れとした気持ちと春の景色の明かるさが重なりあっている。 水明 池田雅夫 選

サバカフェのカツカレー

熊川宿若狭美術館に寄った帰り、久しぶりにサバカフェでランチ。
以前、「カツカレー」は夏限定のメニューだったのですが、メニューにありましたので、迷わず注文。
絶品、ほんとに美味しいカレーです。